2011年から2012年にかけて放送され、宇宙と学園ドラマを融合させた斬新な世界観で大ヒットを記録した『仮面ライダーフォーゼ』。主演の福士蒼汰をはじめとする豪華キャスト陣の熱演が今なお語り継がれる同作ですが、ファンの間で伝説として語られるエピソードが「例のプール」の登場劇です。
日曜朝8時という子ども向け番組の王道「ニチアサ」枠に、インターネット上で絶大な知名度を誇るあの室内プールが突如として現れた瞬間、SNSや掲示板は未曾有の盛り上がりを見せました。なぜあの特徴的なロケ地が選ばれたのか、制作現場では何が起きていたのか。放送当時の熱狂とスタジオの正体、そして2026年現在の最新状況までを徹底取材の視点から紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「例のプール」が登場したのは『仮面ライダーフォーゼ』第20話「超・絶・磁・力」(2012年1月29日放送)の天ノ川学園高校プールシーン。
- 要点2:スタジオの正式名称はピーススタジオが運営していた「No.136 Hanazono Room(花園ルーム)」であり、冬季撮影における温水設備の必要性という現場の実務的理由から選定された。
- 要点3:制作陣に悪ふざけの意図はなく、極寒期のスケジュール制約と屋内プールの希少性が生んだ偶然の産物であり、現在はカルチャーの象徴的アイコンとして定着している。
第20話の衝撃|天ノ川学園高校プールシーンに「あの場所」が映った理由
問題のロケ地が画面に現れたのは、2012年1月29日に放送された『仮面ライダーフォーゼ』第20話「超・絶・磁・力」です。このエピソードは、主人公・如月弦太朗(福士蒼汰)と、相棒である歌星賢吾(高橋龍輝)の友情が激しく衝突し、強固な絆を結び直して新フォーム「マグネットステイツ」へと覚醒する、シリーズ屈指の重要回でした。
ドラマの舞台となったのは、物語の中心である天ノ川学園高校の屋内プール。劇中では、賢吾の頑なな態度に悩む弦太朗がプールサイドに佇み、飛び込み台や特徴的な透明のアクリルフェンス、独特なタイルの壁面がしっかりと映し出されました。シリアスでエモーショナルな名シーンであるにもかかわらず、画面に広がる光景はネットユーザーにとって見覚えがありすぎる「あの空間」だったのです。
放送開始直後の午前8時10分過ぎ、Twitter(現X)や2ちゃんねる(現5ちゃんねる)の実況スレッドは騒然となりました。「フォーゼのロケ地、完全に例のプールだろ!」「日曜朝からお茶の間にあのプールを流す東映の度胸」といった投稿が秒単位で数百件単位で投下され、関連ワードが国内トレンドの上位を独占。感動的な青春ドラマの裏で、大人世代の視聴者が一斉に画面へ総ツッコミを入れるという異例の事態が発生しました。
「例のプール」の正式名称とスタジオスペック|花園ルームの正体
インターネットカルチャーにおいて「例のプール」という通称で広く認知されているこの場所ですが、その正式名称は「No.136 Hanazono Room(花園ルーム)」です。スタジオ運営会社であるピーススタジオ(株式会社ピースリー)が管理していた、東京都新宿区新宿1丁目に実在する高級マンション最上階のペントハウススタジオを指します。
スタジオ内には、長さ約6.5メートル、幅約3メートルの室内温水プールが設置されており、採光性に優れた大きな窓とラグジュアリーな内装が特徴です。1990年代後半からグラビア撮影、成人向けビデオ(AV)、一般ドラマ、バラエティ番組、ミュージックビデオなどのロケーションとして幅広く貸し出されていました。特に特定ジャンルでの使用頻度が極めて高かったことから、ネット掲示板を中心に「水着やプールといえばあの場所」という強固な共通認識が形成されていきました。
| 項目 | 詳細・スタジオ仕様 | 特撮ロケ地としての基準 | 編集部の分析・評価 |
|---|---|---|---|
| スタジオ正式名称 | No.136 Hanazono Room(花園ルーム) | 都内近郊ハウススタジオ | ミーム化以前から業界内で重宝された優良スタジオ |
| 運営会社 | ピーススタジオ(株式会社ピースリー) | プロ向け撮影スタジオ運営 | 一般向けレンタルスタジオとして正規に営業 |
| 所在地・立地 | 東京都新宿区新宿1丁目(マンション最上階) | 東映大泉撮影所から車で40〜50分圏内 | タイトな撮影スケジュールにおいて移動効率が抜群 |
| 設備特性 | 通年利用可能な室内温水プール・自然光窓 | 冬場の水中・水辺撮影が可能なこと | 真冬(12月〜1月)の撮影では唯一無二の選択肢 |
なぜニチアサで使われたのか?制作現場のロケーション裏話とネットの反応
日曜朝のファミリー向け番組に、なぜ成人向け作品でおなじみのロケ地が採用されたのか。ネット上では当時「東映スタッフの悪ノリではないか」「確信犯的なネタ仕込みではないか」といった憶測も飛び交いました。しかし、特撮ドラマ制作の現場実態を検証すると、そこには極めて現実的かつ合理的な制作上の制約が存在していました。
最大の理由は「撮影時期」と「温水設備」の兼ね合いです。『仮面ライダーフォーゼ』第20話の撮影が行われたのは、年末の寒さが本格化する12月中旬から下旬にかけてでした。屋外の市民プールや学校のプールは当然オフシーズンで水が抜かれており、仮に水を張ったとしてもキャストやスタッフが極寒で凍え、撮影になりません。
都内および近郊で「冬場に水を張り、温水対応が可能で、撮影許可がスムーズに下りる屋内プールスタジオ」を探した場合、選択肢は極めて限定されます。東映のロケーション担当者は、単に「天ノ川学園高校の豪華な室内温水プール」という設定に合致し、スケジュール通りに押さえられるプロ用スタジオとしてピーススタジオの花園ルームを手配したに過ぎません。
制作陣にとっては「極寒の冬場にスケジュール通り撮影を成立させるための最適なロケ地選定」であった一方、成人向けカルチャーやネットミームに親しんでいた視聴者層との間に巨大な認知ギャップが生じ、結果として伝説的なネットの反応を生み出すことになりました。
特撮における「例のプール」登場作品とポップカルチャー化の変遷
実は「例のプール」が登場した特撮作品は『仮面ライダーフォーゼ』だけではありません。特撮・テレビドラマ業界において、花園ルームは利便性の高い室内プールスタジオとして長年重宝されてきました。
例えば、フォーゼと同じ仮面ライダーシリーズでは『仮面ライダーW(ダブル)』の劇中でも登場しているほか、『ウルトラマンダイナ』などの円谷プロ作品、一般ドラマの『世にも奇妙な物語』や各種バラエティ番組のコント企画などでも度々ロケ地として起用されています。
2010年代以降、この場所は単なる「知る人ぞ知るスタジオ」を超え、日本のポップカルチャーにおける代表的なネットミームへと昇華しました。大手ホビーメーカーのアオシマ(青島文化教材社)がプールサイドを模したプラモデルやアクリルスタンドの背景パネルを商品化したり、アニメ作品の劇中で露骨なパロディとして描かれたりと、サブカルチャーの共通言語として確固たる地位を築いたのです。
一般に知られていない盲点とネットの誤解を正す
「フォーゼのプール回」に関して、ネット上には現在もいくつかの誤解が存在します。事実関係を客観的に整理し、真相を明らかにします。
第一の誤解は「成人向けビデオ専用のスタジオである」という思い込みです。実際にはピーススタジオが運営する正規のレンタル撮影スタジオであり、ファッション誌のグラビア、アパレルブランドのカタログ、テレビドラマなど幅広い用途で利用されています。成人向け作品での露出頻度が高かったために偏ったイメージが先行したのが実態です。
第二の誤解は「福士蒼汰がプールに飛び込んだ」という記憶違いです。第20話のプールサイドのシーンでは、登場人物たちの葛藤と対話がメインであり、激しい遊泳や派手な水没アクションが行われたわけではありません。記憶の中でネットの反響が誇張され、過激なシーンであったかのように語られるケースが見受けられます。
【プロの結論】メディアリテラシーとネットミームが交差した必然のドラマ
メディア制作の現場観察と文化受容の視点から見ると、この現象は「制作側の純粋なプロ仕様ロケ地選定」と「ネット社会におけるコンテキストの多層化」が引き起こした象徴的な出来事といえます。子どもたちにとっては「かっこいい高校のプールサイド」に見え、親世代やネット世代には「別の文脈」として読解されるという、二重構造の視聴体験が意図せず成立しました。
映像制作におけるスケジュールの過酷さと制約の中で、現場スタッフがベストを尽くして選んだロケーションが、視聴者の集合知によって全く別のエンターテインメント性を帯びる――。このエピソードは、平成仮面ライダーシリーズが持つ自由度の高さと、インターネット時代におけるテレビ番組の拡散力を証明する極めてユニークな事例として歴史に刻まれています。
【実態検証】「例のプール」の現在と聖地巡礼のリアル
放送から年月が経過した現在、あのプールはどうなっているのでしょうか。ピーススタジオが運営していた「No.136 Hanazono Room」は、スタジオ業界の再編やリニューアルを経て運営体制の変更が行われました。
一時期は一般のコスプレ撮影会や個人の貸切利用プランも提供され、一種の「ネット聖地」として多くのファンやクリエイターが訪れました。現在はスタジオの仕様変更や利用規約の改定が行われていますが、日本のインターネット黎明期から平成のテレビカルチャーを彩った伝説のロケ地としての存在感は、2026年を迎えた今も色褪せることはありません。
【仮面ライダーフォーゼ 例のプール】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:仮面ライダーフォーゼで「例のプール」が登場したのは何話ですか?
A1:第20話「超・絶・磁・力」(2012年1月29日放送)です。如月弦太朗(福士蒼汰)と歌星賢吾(高橋龍輝)が対立を乗り越え、マグネットステイツを完成させる重要エピソードの中で、天ノ川学園高校の屋内プールとして登場しました。
Q2:あのプールの正式名称と所在地はどこですか?
A2:正式名称はピーススタジオが運営していた「No.136 Hanazono Room(花園ルーム)」です。東京都新宿区新宿1丁目のマンション最上階に位置する室内温水プール付きのハウススタジオです。
Q3:なぜ子供向け番組のニチアサであの場所が使われたのですか?
A3:悪ふざけや意図的なネタではなく、冬場(12月下旬)の撮影において温水が利用できる都内の屋内プールスタジオという条件を満たす場所が極めて限られていたためです。制作現場の実務的・スケジュール的な判断から選定されました。
Q4:仮面ライダー以外の特撮作品でも使われていますか?
A4:はい。『仮面ライダーW』や『ウルトラマンダイナ』など、他の特撮シリーズや一般のテレビドラマ(『世にも奇妙な物語』など)、バラエティ番組でも多数ロケ地として使用されています。
まとめ:色褪せない名作ドラマとミームが生んだ奇跡のロケ地
『仮面ライダーフォーゼ』第20話における「例のプール」の登場は、過酷な冬の撮影スケジュールを乗り切るための制作陣の真剣な工夫と、ネットカルチャーの熱量が偶発的に結びついた、テレビ史に残る名場面でした。
作品を改めて見返すと、プールサイドで繰り広げられる弦太朗と賢吾の熱い友情ドラマの完成度の高さに引き込まれます。ネットの話題性だけでなく、青春特撮ドラマとしての骨太な魅力を備えているからこそ、10年以上が経過した今もなお愛され、語り継がれているのです。 (出典: 仮面ライダーフォーゼ 例のプール(Yahoo!ニュース))